菜の花が地域を救う

2007.07.12
丹波春秋

 「循環型まちづくりをめざす丹波フォーラム」で聴いた藤井絢子さんの「菜の花が地域と地球を救う」という講演は、示唆に富むところが多かった。菜の花を栽培し、食用油として利用した後、その廃油をバイオ燃料として使うプロジェクトを全国展開しているNPOの代表である。▼バイオエネルギーの活用を進める先進各国の事例の紹介の中で啓発されたのは、「デンマークでは生ゴミを輸入してまで、バイオガス発電の原料に使っている」「韓国では人口150万人の町で生ゴミを完全に分別回収している」という話だった。▼「日本でそこまで分別が進みにくいのは、焼却炉が完備されすぎているから」との指摘もあった。しかし、丹波市の場合はこれから作る段階である。ならば「1周遅れのランナー」の利点を生かす発想で、生ゴミの分別まで踏み込む方向で計画の見直しをはかってはどうか。▼バイオ燃料は化石燃料に比べかなり高くついていたが、原油の値上がりに伴い差は相当縮まっているという。国でも農作物を使って600万キロリットルのバイオ燃料をまかなう目標を立てているが、やはり地域ごとに住民を巻き込んでの設計図を描くことが大切である。▼「食物や燃料は今や戦時体制。お金さえ出せば手に入ると考えていると大きく誤る」という言葉を真剣に受け止めたい。(E)

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