兵庫県丹波市のNPO法人かたくりが運営する地域活動支援センター「希望の家」が、冬場の作業として以前行っていた、同市の特産品「丹波大納言小豆」の選別を再開したく、仕事を提供してくれる農家を探している。利用者の多くが選別経験があり、作業に慣れている。厳しい納期にはこたえられないことを理解した上での協力の申し出を待っている。
10年以上前に市内農家から黒大豆の選別を受注したのを始まりに、近年は、丹波大納言小豆の「豆より」作業を有償で引き受け、冬場の作業にあてていた。シーズンに280キロ、300キロを選別した年もある。利用者が選別した後、職員が2次選別し、農家に渡す。
発注先の事情で、昨年の冬から作業がなくなり、今年の冬もこれまでのところ引き合いがない。
同施設は、精神的な障がいを抱えながら地域で暮らす人が通う場所で、退院後の居場所や生活のリズムを整える場所。就労支援事業所ではなく、レクリエーションを楽しむなどしてくつろいで日中を過ごす。日常活動の中に自由参加の作業があり、作業で手当を得ることは、利用者の励みになるという。
上村美恵施設長は「手持ち無沙汰になる時間に簡単にでき、1人でも、大勢でもできる。何キロをいつまでに、と厳しく納期を決められると対応できないが、一定量を預かり、終わったら次の分というような形で任せてもらえれば」と話している。価格は応相談。過去の引き受け価格は、キロあたり100数十円だった。
欠点豆を取り除く選別作業により、豆の等級が上がり、買い取り価格が上がる。農家は、量は減っても選別コストをかけて単価を上げた方が得か、単価は低くても量を出荷する方が得かを見極める。