元気に口上「狐がえり候」 厄払いの伝統行事 ご祝儀渡し福招く

2020.01.21
ニュース

暗闇のなか、太鼓と鉦を鳴らしながら家々をたずねる子どもたち=2020年1月14日午後5時52分、兵庫県丹波市氷上町香良で

兵庫県丹波市氷上町香良自治会の育友会がこのほど、民俗伝統行事「狐がえり」を行った。小学1年―中学1年までの19人が、暗闇のなか、口上を元気いっぱいに歌いながら自治会内130戸をたずね歩いた。「狐がえり」は、厄払いとして歓迎され、「ご苦労様です」と、ねぎらいの言葉と祝儀を受け取っていた。

「狐がえり」は、全国各地で行われており、地域によって「狐狩り」「狐どんど」などと呼ばれる。狐に象徴される害獣を地域から追い出し、福を招くとされる。

公民館を午後5時半に出発。「狐がえり候」「ととやかかの飯米じゃ」と、昔からの決まりの口上を歌いながら、竹から吊るした太鼓と鉦を叩き、家々をまわった。声が近づくと家人が玄関前まで出て来てご祝儀を渡した。厄払いになると伝わっており、中には玄関から子どもたちの行列を迎え入れ、勝手口から送り出す家もあった。

今年初めて参加した小学1年生2人は「みんなが歌っているのを聞いて覚えた」と、途中から声を張り上げた。中学1年生は、「夜遅くまで大変だけど、伝統なので、続けるのはいいことかな」と話していた。

自身も子ども時代に同行事を体験した男性(51)は「夜11時、12時になることもあった。昔は15日が成人式で祝日だったので、夜更かししても大丈夫だった。今は翌日、登校しないといけないので、昔ほど遅くならないようにしていると思う」と話していた。

関連記事