2日続けて葬儀に出た。1人は小中高と同級で、家もすぐ近所のK君。竹馬の友仲間の旅行ではいつも幹事役を務めてくれた。今年初め頃から体調不良を訴えていたが、後からわかったことには昨年11月、筆者も一緒の旅行から帰った直後、病院の検査でがんを告知されていたらしい。▼すでに手術は無理という状態だったようだが、詳しく知らされなかったこちらはのんきに構え、入院したつい先月、病室で初めて病状を聞いて、そこまで悪かったのかと気付いた次第だった。彼は淡々と説明し、「身辺の整理もあらかたすませた」と話した。▼心の内ではすごく不安だったろうに、外部にだけでなく家族にも「痛みを訴えたり、当たり散らすようなことは全くなかった」とは、お母さんの話だ。葬儀からの帰り、同級生が集まり「小学生時代は結構腕白だったのに、何であんなに悟ったようになれたんやろ」と、皆口をそろえた。▼さて、もう1人は遠い親戚になる92歳の老女。この6月まで元気だったそうで、こちらは大往生だった。喪主の息子さんが挨拶で、「着替えの中から出てきた」と本人の手紙を読み上げた。「皆さん、私は幸せ者でした。本当にありがとう。そろそろお別れの時が来たようです」。▼天寿を全うするのもしないのも、各人の運命だろうが、それ相応に身を処したい。(E)