田捨女青春俳句祭

2007.11.12
丹波春秋

 柏原で開かれた田捨女青春俳句祭は7回目となり、各部門とも投句者が全国に広がってきた。7ページに大賞、優秀賞などが掲載されているが、春秋子流選句を。▼まずは小学生。「おにごっこパーで勝ったら秋の雨」は文句なくうまいが、「ほこりとぶおひさしぶりのせんぷうき」はユーモラス。丹波の作者で「ひやけしてまっ黒黒でわっはっは」「アマゴ採りわたしにかかれば二十匹」も元気がいい。「秋風が私の話ぬすみ聞き」はそろそろ思春期の句か。▼中学生は「ストーブをいつも独占してる兄」「擦れ違うそれだけで吹く春の風」「父よりも背丈を超えた夏の日や」、高校生は「鬼やんま渇き続ける脳細胞」「梅雨晴れの空ぶかぶかのハイヒール」「明日へのチケット透かす月明かり」。これらが青春の句らしい。▼大学生・一般の部も「青春」という観点から見て、「蟻の列求人広告通り過ぐ」、「青嵐下校の子等を弾き出す」「百日紅父さんと行く貝類館」が目をひいた。審査の先生から絶賛された「いちじくや母が疎まし母がいて」は会場にいた作者が「私の母ではなく、子供が感じている私のこと」と打ち明け、なるほどと感心。▼全般に、何も特別に意識しない小学生の作品が、のびやかで面白かった。各部門とも地元からの応募、入選も増えて結構。来年も頑張ってほしい。(E)

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