島根県の山あいの飯南町で開かれた「農村再生はなぜ必要か―地域の未来を若者と拓くための戦略会議」(いなか未来会議ネットワーク主催)に、たんば・田舎暮らしフォーラムの仲間と共に参加した。▼学生らをインターン生として全国各地の企業に送り込んでいる東京のNPOの活動を初め、高知県北部の山村でそうした若者を木材や山荘などの事業に参加させている会社など多くの事例が発表された。▼感心したのは、隠岐島の海士(あま)町。人口が2500人、ピーク時の3分の1に減った中で、町長や議員は給与を半額カットしながら、全国から若者をIターンさせるのに成功。この3年で76世帯、145人が定着した。▼東大大学院を出た人もおり、塩やナマコの事業化に取り組んでいる。この発表をしたのも、大学を出てすぐ観光協会に就職した北海道出身の人で、「このまま島で結婚して住み続けたい」と話した。▼農村再生の可能性についてのパネル討議では、会場からも様々な意見が出たが、要はいかに地域の魅力を高めるかに尽きる。地元の人が意外に気付かない起業のタネが必ずあるはずで、外部からの新鮮な目の方が見つけやすい。やはりIターンした島根のNPOの女性の「学生を集めるのは簡単ではないけれど、一旦来れば、結構乗ってくる」という話に納得した。(E)