兵庫県丹波篠山市乗竹にある西紀小学校の4年生10人がこのほど、「カエル救出大作戦」と銘打ち、同校近くの農業用水路に落ちたカエルを助けるためのネットとしゅろ縄を設置した。現場にはたくさんのカエルがおり、児童たちは、「がんばって登りや」と声援を送っていた。
児童たちはこの日、篠山東雲高校教諭で、日本両棲爬虫類学会会員の田井彰人さんを講師に招き、再びカエルについて学んだ。
田井さんは、トノサマガエルや二ホンアマガエル、モリアオガエルなど、市内で見ることができる13種のカエルを紹介。カエルは稲につく害虫を食べ、そのカエルはヘビなどに食べられるなど、食物連鎖の中で重要な役割を担っていることを説明した。
自然に近い水路はカエルなど生き物にとってすみやすい場所になるものの、人間にとっては草刈りなどの管理が大変。コンクリート張りの水路は人間が管理しやすい代わりに生き物はすみづらく、「吸盤を持たないトノサマガエルなどは落下すると、なかなか登れずに死んでしまうものもいる」とした。
篠山東雲高生が脱出用の水路「しののめ水路」を制作していることにもふれながら、「ちょっとした工夫でカエルたちを助けることができる。みんなもたくさんの人に教えてあげて」と呼びかけた。
男子児童は、「自分がカエルだったら、水路は校舎くらいの高さになるので、落ちたら、『一生の終わり』と思うはず。ネットがあることで、カエルが助かってくれたら」と話していた。