新型コロナウイルスの影響からか、外遊びの一つ「釣り」をする人が増えたことで、釣り具の需要が高まっている。兵庫県丹波篠山市内のメーカーや販売店でも堅調な伸びを示している。
釣り具販売店「フィッシング丹南」(同市味間新)の北林賢一代表によると、4月に入ってから例年より客数が増加。休校だった時期でもあり、ファミリー層が増えた。以前にブラックバス釣りをしていて、家にあった釣り具で再開した人も見られたという。舞鶴若狭自動車道のインターチェンジに近いため、都市部の人が同店に寄ってから、舞鶴(京都)方面へ出掛けるケースも増えた。
仕掛けに使われる小型の連結金具「サルカン」を製造している太陽産業(同市野中)の高松久夫・取締役営業部長によると、漁業、水産業や都市型小売店への供給は減少したものの、レジャー部門や地方の小売店の供給が増え、地域によっては昨年比2―3割増で堅調に推移している。
針と重りが一体となった「ジグヘッド」や、重り、疑似餌などを製造している東雲化工(同市西八上)の榊山直樹代表によると、4、5月の重りの合計出荷量は昨年比1・6万個増の28・3万個、擬似餌は昨年比約9万個増の約17万個。中国からの輸入が停止した3月上旬から生産量が増えているという。同社が機械化を進めた要因もあるが、「コロナの影響で需要が伸びた面もある」(榊山代表)と分析する。