小島宗幸さんマラソン引退

2008.03.03
丹波春秋

 日本トップクラスのマラソンランナー、篠山市出身の小島宗幸さんが引退した。シドニー五輪では、あとわずかのところで出場を逃し補欠に回った。そのことが「今も悔いに残る」と言いつつ、「充実した競技生活で幸せだった」と振り返る小島さん。「ご苦労さまでした」とねぎらいの言葉をおくりたい。▼小島さんには学生時代に二つの分岐点があった。ひとつは中学校入学時。陸上部に入る気のなかった小島さんに、陸上部顧問だった東浦教諭が入部を勧めた。この出会いがなければ、今の小島さんはなかった。▼ふたつ目は西脇工業高校卒業時。小島さんは日本大学に進学することがほぼ決まっていた。しかし、旭化成の陸上部監督だった宗茂さんが西脇にやって来て、直談判。『日大に進み、箱根駅伝に出てからマラソンの道に』と青写真を描いていた小島さんをくどき落とした。▼「マラソンをしたいなら、旭化成が一番の近道だ」との宗さんの言葉に進路を変更した。のちに小島さんは、当時を振り返って「旭化成を選んで良かった」と話していた。▼高校で卒業式が行われた。18歳の若者たちが進学、就職とそれぞれの道に進む。小島さんほどでないにしても、その進路は、18年間の出会いや縁によって定められたものだと思う。迷わずに覚悟を決めて進んでほしい。 (Y)

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