篠山市議選

2008.04.17
丹波春秋

 プロ野球がシーズン序盤の戦いを繰り広げるなか、篠山市議選が始まった。有権者にとって最も身近で、盛り上がる市議選。その特徴はプロ野球といくつかの点で似ている。▼まず「競う」という特徴だ。優勝やAクラス入りを競うプロ野球と、当落や票数を競う市議選。その競い合いは公開のため、「見る」という特徴が付随する。どのチームが、どの候補者が勝つのか、雌雄を決する光景は人の目を引き寄せ、野球ファンが開幕前に順位を予想するように、有権者の間にも当落を予想する評論家が現れる。▼そして何より「燃える」という点で一致している。声援が飛び交い、鳴り物が響く野球場は、日常とは別の空間で、野球に関心がない人もひきつけてしまうほど燃え上がる。選挙カーが行き交い、大きな声で支援を呼びかける選挙も、村里を普段とは違う空気に包み込み、自然と燃え上がらせる。▼テレビ中継が少なくなるなどの、プロ野球離れ。一方では、投票率の低下など政治に関心のない層が増えている政治離れ。残念ながら、この点も共通している。▼ただ決定的に違うのは、プロ野球ファンはしょせん、一喜一憂するだけの傍観者なのに対して、有権者は傍観者で終わらない点だ。一人ひとりが市政の当事者であることを自覚して投票したい。 (Y)

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