ナメクジと俳人

2008.05.29
丹波春秋

 先日の「田ステ女俳句ラリー」に「なめくじの悠悠として木の根橋」という句が入選。選者の坪内稔典さんが「良いところに目を付けた」と褒め、「私は『ナメコロジー研究会』という会から、『ナメクジ文化の普及に貢献した功績』で賞をもらったことがある」と話した。▼カバ愛好家で通る坪内さんが俳句誌に「カバとナメクジには共通点がある」などと書いたのが、認められたのだそうだ。この研究会から聞いたという氏の解説によると、日本のナメクジは従来、背中に2筋の線の入った「フタスジ」系が主流だったが、近年は外国から来た、茶色の甲羅を持つ「チャコウラ」系が優勢とか。▼会が作った「目撃情報」の送信用紙を送って頂き早速、我が家近辺で観察したが、「チャコウラ」がはっきりわかるのは未確認。しかし箕面の坪内邸付近では、「チャコウラ」の方を多く見かけるという。▼俄然興味がわいてインターネットを開くと、この世界も以前調べたカメムシに劣らぬくらいファンはいるようで、交尾の映像、「ナメクジ・ゲーム」、「寄生虫を避ける正しい食べ方」等々々々。▼また坪内さんのコラムに載った「蛞蝓のあと光りだす十三夜」(真鍋天魚)という句で、初めて漢字を知った。いかにもそれらしい感じ。今後は悠悠人生の師と仰ぎ見るべきか。(E)

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