車の後部座席にもシートベルトの着用が義務付けられた。面倒でも、万一の事故のことを思えば、やはり守りたい。筆者も昔、無理な追い越しで単独横転事故を起こした際、ベルトのお陰で命拾いした。▼それと共に大事なのは、チャイルド・シート。米国ワシントン州には「アントン法」という、1歳、4歳、6歳まで3段階の年齢・体重別に種類を規定した法律が出来ている。助手席にいた4歳児、アントン・スキーンが、突風で車が横転した際に子供用ベルトからすり抜け、路上に投げ出されて即死した事故がきっかけだった。▼母親が「子供の身体に合ったサイズのシートベルトを」と、NPOの協力で運動に取り組み法制化にこぎつけた。例えば4歳から6歳の場合は「ブースター・シート」という、大きくなりかけの子供向けの設計になっている。▼彼女、オータム・スキーンさんは8年前、筆者が篠山の合唱団の交流で同州ワラワラ市に行った際、ホームステイした家の夫人。「法律が出来たからと言って子供は戻らないが、私のような悲しみに遭う親は減るだろう」と、目をしばたいていたのを、筆者も孫が出来る年になって、思い返す。▼ただ、子供はチャイルドシートを嫌がり、おとなしく座らせるのが一苦労のようだ。子供が喜ぶシートの設計にも、力を入れてほしい。(E)