教育の基本

2008.11.06
丹波春秋

 恐竜化石などを見つけた大山小6年生「大山化石発掘隊」の体験発表を、篠山チルドレンズミュージアムでのフォーラムで聴いた。元気の良い子供たちで、パソコン画面を背に、身振り手振りを交えながら皆はきはきと話した。▼篠山川の河原で採ってきた石をハンマーで割って調べるうち、「初めはそれほど興味がなかったのに、だんだん夢中になった。世界で一番受けたい授業です」。そういうタイトルのテレビ番組があるそうだが、1億数千万年前の生物との出会いは、それこそ衝撃的だったろう。▼10月26日号本紙(丹波市版)には、父と北アルプス槍ヶ岳に登った神楽小学生、足立君が、27時間45キロ踏破の行程表や地図を付けて自由研究発表し、「いつかエベレストにも登りたい」と話した記事が載っていた。▼先頃まで「ゆとり教育」や「総合学習」が大きな柱になりつつあると思われた学校現場で、たまたま「学力」の国際比較が良くなかったせいか、文部科学省の号令一下、にわかに雲行きが変わり、学力テストの成績を公表するしないでもめている。▼しかしながら、がばいばあちゃんではないが、勝負は社会に出てから。いかに自分自身の力でものごとを考えることができるか。教育の基本はそこだ。少々の点数にこだわらず、大きなスケールで子育てをしたいもの。  (E)

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