丹波市長・市議選挙が終わった。新議員の平均年齢は60歳、最年少54歳。今春の篠山市議選(各51歳、34歳)とだいぶ違うが、若ければいいとは言うまい。円熟した議論と政策提言のための研鑽を期待しよう。▼市長選は無投票。合併後4年経ち環境が一段と厳しくなる中、様々な課題について論戦が展開されなかったのは残念だった。辻氏は「批判がないとは思わない。真摯に耳を傾ける」と話した。慢心せず、しかし強いリーダーシップで2期目に臨んでほしい。▼市の人口は7万人を切り、少子高齢化の道をまっしぐら。10数年来の慢性的な景気低迷に加え、今回の世界的な経済危機は、比較的業績の良かった数少ない市内企業にも及ぶ。今後税収は目に見えて落ち込むだろう。▼地域の活性化のためには、若者の働き場所の確保が欠かせないが、工場誘致と言っても簡単ではない。今こそ従来にない、全く新しい発想の戦略が求められる。▼重要なキーワードになるのは「環境」だ。温暖化対策として「排出権取引」が動き出し、CO2の排出量削減は利益につながる。「環境で儲かる」時代が来ているのだ。広大な森林、田畑は宝の山の可能性を秘め、中山間地域にチャンスが訪れる。但し、智恵と工夫があっての話。その観点からは議会も各派一致して取り組めるはずだ。(E)