紙飛行機と一緒に空を飛ぶ
折り紙飛行機の魅力を伝え続けて17年。83歳の今も、篠山チルドレンズミュージアムで月1回、コーナーを開設しているほか、地域のイベントや講師依頼に応え、年間10回程度の講座を受け持っている。元小学校長。「教師だったからか、子どもたちが笑顔で駆け回る姿を見ると元気がみなぎってきます。でもやっぱり、寄る年波には勝てないもので、自宅に帰るとぐったりしてしまいますけどね」と苦笑い。
退職後、第二の人生の歩き方を考えていた66歳の時、子どもの頃に親しんだ折り紙飛行機の楽しさを思い出し、紙飛行機界のレジェンド、戸田拓夫さんの著書との出合いもあってこの世界に。一時期は折り紙ヒコーキ協会や、神戸、京都のグループにも所属し、毎月、それぞれの例会に顔を出して折り方や飛ばし方の技術を磨き、各地の会員と親睦を深めた。70歳の時、同協会主催の全日本紙ヒコーキ大会シルバーの部(65歳以上)で、滞空時間競技で優勝(約14秒)、飛距離競技で準優勝(約14メートル)をおさめた。80歳の時にも滞空時間競技で準優勝に輝いた。
「紙飛行機がすーっと空高く飛び上がり、水平飛行しながらしばらく空を舞う。そのひととき、私は何もかも忘れ、紙飛行機と一緒に空を飛んでいるのですよ」
風を読み、手首のスナップをきかせて空へと放つ。「うまく飛んだときの感動や、形状に工夫を加えた機体が予想通りの飛び方をしたときの喜びなど、紙飛行機には子どもたちの感性や個性を磨く、高い教育的価値がある」と話し、「これからも体調と相談しながら、折り紙飛行機を通じて子どもたちと遊んでいきたい」。