伊都伎神社(丹波市山南町梶)

2015.04.04
中井一統特集

 創建は鎌倉時代初期。 祭神はイザナギ、 イザナミの夫婦神。 梶部落を南の方へ入った山裾に静かに鎮座する神社である。
 ここには、 なかなかたくさんの彫り物があるのに驚いた。 まず拝殿には立体感溢れる竜の彫り物がすぐ目に入る。 そして定番の木鼻には、 垢抜けした唐獅子と獏が大きな目を見開いて辺りを睨みまわしている感じだ。 ほかの梁の間にも唐獅子が踊っている様だ。 さらに拝殿周りにも、 獏とよく似た象の聖獣がそこここに目に入る。 本殿の彫り物もさらに重厚さを増している。 向背の中央には迫力ある竜が左上を睨んでいる。 そのすぐ上からは1頭の虎が下の竜を威嚇している。 さながら竜虎の戦いを彷彿させている。 手挟みも大きくしっかりしたもので、 鶴が大きく羽を広げている。 ここの脇障子に注目したい。 8代目、 中井正胤独自の土蜘蛛退治の図だ。 登場人物は、 応神天皇と、 その母神功皇后である。

元高校教諭 岸名経夫
 

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