県立柏原病院の小児科が、 神戸大学医学部附属病院 (神戸市) から非常勤医師を招へいする。 市が 「小児科確保緊急対策事業」 として、 1500万円を予算化。 この負担金を元に、 柏原病院が同病院から医師を招へいする。 月3回程度、 専門外来を担当するほか、 週1度程度の当直を担う。 外来と当直に応援が定期的に入ることで、 同病院医師の負担が幾分軽減される。 小児救急輪番日も増やす方向で検討している。 (足立智和)
附属病院と調整の上、 早ければ10月からの開始をめざす。
附属病院医師が担う専門外来は、 腎 (じん) (血尿、 たんぱく尿、 慢性腎炎)、 神経 (てんかんなど)、 内分泌代謝 (糖尿病、 甲状腺疾患、 肥満)。 それぞれ月1度で、 水曜か木曜の午後を予定。 その日は当直を支援する。 これとは別に、 毎週土曜に、 附属病院医師が当直を担う。
大学附属病院という最先端の医療知識・技能を持つ医師を非常勤ながら招へいできたことで、 これら専門的な診察や治療が必要な患者が、 神戸に足を運ぶ必要がなくなり、 患者の負担軽減につながる。 また、 新しい技術を持った医師が交代で訪れることで、 同病院勤務医の知識向上にもつながる。
同病院では、 これまで平日1日と、 土曜か日曜の日中のみ担当していた小児救急輪番の当番日について、 半日ないし、 1日拡大する方向で検討している。
同病院の小児科常勤医は、 昨年4月に1人減って2人に。 今年4月からは、 2人のうち1人が院長になり、 負担が増加。 4月から、 開業医に紹介された患者を中心に診察する外来予約制をとり、 より重症な患者の診療に特化している。
同病院医師の負担軽減を巡っては、 県立こども病院の山武美副院長が外来診察の応援に訪れているほか、 金曜を中心に、 こども病院の医師が当直を支援。 のじぎく療育センターからも医師が訪れ、 発達の専門外来を担っている。 県は、 今年になり、 県立病院の医師が他の県立病院に応援に行く場合に報酬を支払う制度を設けた。
また、 子どもを持つ母親らが 「県立柏原病院の小児科を守る会」 を設立。 「子どもを守ろう お医者さんを守ろう」 をスローガンに、 継続して医療を受けるために医師の負担を軽減しようと訴えた。 コンビニに立ち寄るような感覚で昼夜を問わず同病院を受診しないよう呼びかけ、 5万5000筆あまりの署名を県知事に提出するなどの活動を展開。 医師を思いやる活動が、 全国から注目を集めている。