県立柏原病院の常勤内科医師が10月1日付けで2人増える。 2人とも、 循環器内科全般を専門としており、 心臓カテーテル治療・検査の経験も豊富。 同病院内科医師は、 ピークの13人から5人に減少。 特に昨年から今年にかけてのほぼ1年で6人減っており、 2人増えても、 ただちに外来や救急受け入れの大幅な改善にはつながらない。 同病院では、 2人の着任を待ち、 今後の診療体制を検討する。
新たに着任するのは、 尾家伸之氏 (46) と芦田孔氏 (39)。 尾家氏が内科部長、 芦田氏は医長を勤める。
尾家氏は、 日本内科学会認定医。 徳島大学医学部出身で、 神戸大学医学部の医局に所属。 大学の人事で、 同病院勤務が決まった。 高砂市民病院、 大山病院 (西脇市) などで勤務経験がある。 大山病院勤務時代には、 柏原病院で開かれていた同病院と丹波市内の開業医らによる心疾患の症例検討会 「氷上ハートカンファランス」 にも参加していた。
芦田氏は、 日本内科学会認定医で、 日本循環器学会専門医。 芦田内科 (柏原町) の芦田乃介院長の長男。 柏原中、 柏原高校を経て、 関西医大を卒業後、 京都市立病院で13年あまり勤務。 地元の深刻な医師不足を知り、 家族や同病院の働きかけもあり、 勤務を申し出た。 芦田氏は、 「身近な柏原病院で心臓救急を受け入れられるようになり、 地域の安心に少しでも貢献できれば」 と話している。
同病院内科の循環器専門医は、 今年3月末で2人が退職しゼロに。 5月に、 地元出身の赤松義樹医長が帰郷し、 1人で診察を続けていた。
内科は患者が最も多いのに加え、 他科のバックアップ、 集中治療室や人工透析の設備の維持など救急を行う病院の機能維持を担う屋台骨。 同科医師の減少で、 患者数が激減。 昨年度の内科患者数は、 一昨年度と比べ、 外来で56%減の1万4866人、 入院で42%減の2万438人となっている。
10月1日の同病院の常勤医数は、 内科が2人増え、 脳神経外科が1人減り、 27人。