篠山病院存続を要望 250自治会の署名提出

2008.03.21
丹波の地域医療特集

 篠山市自治会長会は17日、 兵庫医科大学篠山病院の存続を願う要望書と署名を、 井戸敏三兵庫県知事と新家荘平同医大理事長宛てに提出した。 署名は、 市内261自治会の会長から同日までに集まった250筆を添えた。 住民組織の代表として、 自治会長会が県と医大に直接アクションを起こしたのは初めて。 250筆は全自治会の約96%分にあたる。
 同自治会長会の松本正義会長、 荒木良宏副会長、 酒井良治副会長が、 丹波県民局 (丹波市柏原町) と同医大 (西宮市武庫川町) を訪れて手渡した。
 要望書には 「篠山病院は救急医療や高度医療などを提供する中核病院として、 重要な役割を担ってきた。 撤退は地域医療の大混乱を招く。 市民が安心できる地域医療の確保のために、 地域住民の切実な願いに応えていただき、 将来にわたって運営されるよう、 住民自治組織の総意としてお願い申し上げる」 としている。
 同医大、 市、 県との三者協議が大詰めを迎えたことから、 「市民の思いを伝え、 後押ししたい」 と署名を実施した。 校区代表の自治会長を通じて今月4日以降に全自治会長に用紙を配り、 17日現在で集まった分を渡した。
 丹波県民局は、 柏原藤一郎局長、 羽古井良紀県民生活部長、 清水昌好柏原健康福祉事務所長の3人が受け取った。 自治会長らは 「知事の政治力を発揮して、 何とか存続に向けて説得してほしい」 などと伝え、 柏原局長は 「丹波地域の医療における篠山病院の必要性は県も十分認識している。 知事に速やかに伝える」 と答えた。 また自治会、 県民局側からともに、 「地域医療を守るために、 市民にもできることがあれば協力する必要がある」 という意見が出ていた。
 同医大では、 新家理事長と理事ら3人が出席し、 署名を受け取った。 新家理事長は 「何とか存続できないかと懸命に考えてはいる。 医大としては2つの案を提示しており、 県の対応を待っている状態だ」 などと述べたという。

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