柏原病院に神戸大学の教員 地域医療の最適化研究

2009.03.02
丹波の地域医療特集

 県は16日、 2009年度の当初予算案を発表した。 総額3兆3438億円 (対前年度比96・6%)。 一般会計は2兆1173億円 (同107%)、 特別会計は1兆477億円 (同82・2%)、 公営企業会計は1788億円 (同85・1%)。 丹波では、 健康生活部が所管する医療関係の予算で、 新たに 「地域医療連携推進事業」 や小児救急電話相談が盛り込まれた。 丹波県民局が使途を決める 「地域戦略推進費」 は、 前年度と同額の5000万円。 44事業中、 新規は15
 新規で3000万円が計上された 「地域医療連携推進事業」。 神戸大学大学院医学部医学科に委託して実施する。 連携のあり方や地域医療を協働で支える仕組みを構築するために神戸大学主導で丹波の地域医療の最適化を検討するもの。 同大学院が、 特命教授なり准教授のポストを設け、 同大学院教員が県立柏原病院で医療行政に関する研究と診療支援を行う。
 予算は人件費。 診療支援の具体的な中身などの詳細を詰め、 4月当初からの事業開始をめざす。 教員は同病院に常駐しない見通し。
 医療確保をどうするのか、 提案なり、 報告なり、 09年度末に同大学院に成果物の提出を求める。 単年度事業だが、 必要に応じ継続を検討する。
 県医務課では、 「診療に実際に携わってもらうことで、 医療機能復活のために何が必要か、 幅広く考えてもらえるのではと期待している。 丹波でうまくいけば、 他の医療圏にも広げていくことを検討したい」 と話している。
 また、 丹波では未実施の小児救急医療電話相談を新たに始める。 全県版の相談 「♯8000」 にもう1系統相談窓口を増やす。 看護師や必要に応じて小児科医が電話相談に応じるもので、 県立柏原病院での実施を想定している。 緊急に受診すべきかどうかや、 応急処置を助言する。
 神戸、 阪神南、 北播磨、 淡路ではすでに実施しており、 丹波と中播磨で新年度に始める。 相談窓口を身近に設けることで、 保護者の判断を助ける。
 兵庫医大篠山病院への支援は、 6億1622万6000円。 建て替え費用に5億6622万6000円。 寄附講座の開設に5000万円。 建て替え費用のうち、 県費は8340万円で、 残りは国費。
 寄附講座は、 救急とリハビリの2つを設け、 兵庫医大が教員と下につく医師を計4人確保する。
 地域医療循環型人材育成プログラムに1億500万円。 県2対市1の割合で総額1億5750万円を負担し、 神戸大学から医師5人を県立柏原病院に送ってもらい医師養成につなげるもので、 県負担分を計上した。
このほか、 本庁管轄では、 障害者就業・生活支援センターを丹波圏域に新たに設置する予算を計上。 就業、 生活に関する指導・助言、 職業準備訓練・職場実習のあっせん、 職場定着支援など、 障害者の職業生活における自立をはかるために必要な支援を行う。 丹波地域2市を統括し、 社会福祉法人に委託する方向。 就業支援担当者2人、 生活支援担当者を1人置く。

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