柏原赤十字病院 外科再開で再生めざす

2009.03.31
丹波の地域医療特集

 柏原赤十字病院 (玉田文彦院長) に4月1日付で外科常勤医2人が着任し、 外科系診療を再開する。 常勤医は、 玉田院長を含む内科5人、 婦人科1人、 歯科口腔外科1人の計9人体制となる。 5月をめどに丹波医療圏域の2次救急輪番に復帰し、 6月には外科、 整形外科 (非常勤医で対応) の患者を受け入れるため、 病床数を現在の59から41増の100床へ増やす計画。 同病院は新年度から3カ年の経営計画を 「病院再生計画」 と位置付け、 消化器がん、 乳がん、 子宮がんの早期発見と処置、 健診事業の充実などを柱に、 「同じ医療圏域の病院と連携しながら地域医療に貢献できる病院づくりを進めたい」 としている。
 着任するのは岸敦彦医師 (45) と青山博医師 (60)。
 外科部長に就任する岸医師は、 岡山大学医学部卒で、 国立岡山病院、 岡山大学附属病院などを経て、 1997年から中町赤十字病院、 2006年から府中総合病院に勤務。 日本外科学会認定医で、 一般外科分野のほか、 乳腺診療を得意とし、 マンモグラフィー読影試験では 「評価A」 を得ている。
 青山医師は、 金沢大学医学部卒で、 京都大学医学部附属病院、 神戸市立中央病院、 同市立西市民病院などで勤務。 一般外科分野のほか、 麻酔、 救急医療など多彩な経験をいかし、 岸外科部長をサポートする。 健診事業にもあたる予定。
 同病院は07年に内視鏡センターを開設し、 消化器がんなどの早期発見に実績をあげており、 さらに今年1月には常勤婦人科医が着任し、 子宮がん診療にも力を入れている。 乳腺診療と合わせ、 病院の特色として位置づける。
 また、 現在、 兵庫医大篠山病院から週2回 (月・水曜)、 非常勤医の派遣を受けて開設している整形外科外来が、 4月から週3回 (月・水・金曜) と、 第1・3・5土曜日に増える。
 外科医師の着任を前に、 すでに外科外来、 点滴室の改修に着手。 着任後、 医師のアドバイスをもとに手術室のリニューアルに入り、 4月中旬には外科患者の受け入れ態勢を完成させる。 輪番復帰、 増床は看護師などの増員ができしだい具体的な準備にとりかかる。
 再生計画によると、 外科の再開により、 08年度と09年度の比較で、 入院患者数 (1日あたり) を48人から80人に、 外来患者数 (同) を149人から211人に増やし、 赤字となっている単年度純利益を、 マイナス2億4000万円からマイナス1600万円まで圧縮。 さらに患者数を倍近くまで増やし、 10年度には1400万円の、 11年度には約1億円の黒字に転じたい考え。
 同病院は 「まずは外科を充実させながら体力をつけ、 2次救急にも対応できる、 県立柏原病院を補完する病院をめざしたい。 現実はなお厳しく、 計画に近づけるよう努力したい」 としている。
 同病院の外科は、 常勤医の引き上げなどに伴い06年4月に休診。 07年5月から救急輪番から離脱した。 昨年10月から週1日、 兵庫医大篠山病院から医師が派遣され、 外来を再開した。 同病院での外科手術は06年4月以降、 行われていない。

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