県立柏原病院の新院長に4月1日付で前神鋼加古川病院副院長で循環器内科医の大西祥男氏 (52) が就任した。 酒井國安前院長 (58) は、 新設された医療監ポストに就任し、 同病院小児科で勤務を続ける。 循環型人材育成プログラムにより、 内科医2人が派遣され、 同プログラムは当初予定の5人が充足した。 前内科部長で副院長の河本英作氏 (59) が、 県立成人病センターに異動し、 常勤内科医は院長含め6人。 外科5人、 小児科5人、 産婦人科3人、 整形外科1人、 放射線科1人の21人。 昨年4月1日より1人の増加。
同病院の歴代院長は、 神戸大学が推薦する人物を県が任命していたが、 医師減少に歯止めがきかないことが予想されたため、 引き受け手がなくなった2年前に大学からの派遣が途絶えた。 院長不在の事態を避けるため、 県は、 副院長だった酒井氏を内部昇任させ、 院長に据えた。 今回、 大学人事で新院長が決まったことで、 元の形に戻ったことになる。
大西氏は、 1983年神戸大学医学部卒、 90年に同大大学院修了。 同大医学部附属病院第一内科講師などを経て、 2001年7月から今年3月末まで神鋼加古川病院で勤務。 内科・循環器内科部長、 副院長を務めた。
循環型人材プログラムで新たに派遣されたのは、 循環器内科の清水洋志医長 (44) と、 消化器内科の石田司医師 (31) の2人。 5人枠のうち欠員だった2枠が充足した。
清水氏は、 同大医学部附属病院、 県立柏原病院などを経て、 六甲病院で12年勤務。 同病院内科部長を務めた。 石田氏は、 日生病院、 高槻病院などを経て、 同大医学部難治性疾患病態解析学分野大学院に在籍中。
また、 同プログラムで派遣されていた整形外科と放射線科の医師が交代。 整形外科は石井憲治医長 (35)、 放射線科は後藤一医師 (41) が新たに勤務する。 石井医長は、 新日鉄広畑病院、 三田市民病院などで、 後藤医師は、 高砂市民病院、 県立姫路循環器病センターなどで勤務した。 消化器外科の文宣貴医長 (37) は、 引き続き勤務する。
新田茂同病院管理局長は、 「最重要課題だった内科医の派遣を得られたことで、 内科の充実に向けた一歩が踏み出せた」 と話している。
5年前には最大13人が在籍していた同病院内科は、 患者数の割に医師数が少なく、 疲弊していたところに新臨床研修医制度が重なり、 大学からの内科医派遣が途絶えた。 一昨年には3人にまで落ち込み、 その後、 地元開業医の子弟を招へいするなどし、 4―6人の間で行き来している。