なるようになる

2009.09.28
丹波春秋

 20日付の本紙で、91歳になる今もグラウンドゴルフを楽しんでいるおばあさんが紹介されていた。片道が2キロある雑貨店へ自転車で買い物にも出かけている。健康の秘訣について「取り越し苦労をしてはだめ。なるようにしかならんの精神で、楽しく過ごすこと」と答えていた。▼くよくよしない。これは、健やかな長寿者に多くみられる性格であり、医学的にも証明されてきているようだ。アメリカの病院での調査によると、230人の男性の75歳時点での死亡率は、「苦悩していない人」が5%なのに対して、「苦悩している人」はその7倍の35%だった。▼この結果から得られた結論は、「心理的苦悩のほとんどない安定した感情を維持する性格の方が、運動や食習慣よりも身体的健康に役立つ」。人は生きている限り、苦悩から逃れられない。大事なのは、苦悩を吹き飛ばしたり、いなしたりできる性格や態度ということだろう。▼大徳寺の住職をつとめた一休禅師は、「大徳寺が困ったときだけあけなさい」という遺書を残した。一休の死後、困ったことが起き、遺書をあけてみた。そこには「なるようになる。心配するな」と書かれていた。▼ならないときも、ならないようになる、だから心配するな。これが一休の教えだった。一休が87歳まで生きたのも納得できる。(Y)

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