心のエネルギー

2009.10.05
丹波春秋

 仕事にも趣味にもばりばりと打ち込んでいる元気な人が、まれにいる。疲れ知らずの秘訣は何か。それは、心のエネルギーの補給が上手だからだと、心理療法家の河合隼雄氏が説いている。なるほどと思う。▼心のエネルギーがあれば、身体のエネルギーもある。こちらは食事や睡眠によって補給できる。心のエネルギーの補給は、仕事の場合だと、お客からの「ありがとう」の一言だったりする。満足のいく仕事をなし終えたときの達成感、難しい仕事に取り組むやりがいも、心のエネルギーを補給してくれる。▼しかし仕事は、成果や能力がシビアに問われるし、人間関係のストレスも加わる。一般にエネルギーの補給よりも、消費する量の方が多かろう。これに対して趣味は、補給量が消費量を上回るのではないか。▼なにしろ自分の好きなことをやっているし、充実感がある。仕事と違って他人から成果や能力が求められることはなく、のびのび楽しめる。趣味のサークルは、職場のような上下関係がなく、アットホームなもの。▼趣味にもいろいろあるが、なかでも文化的で創造的な趣味は、心を元気にすると、河合氏はよく説いていた。心が疲れている人は、創造活動を通して心のエネルギーを補給してはいかが。時あたかも文化の秋。一歩踏み出してみよう。 (Y)

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