黒枝豆の販売認証制度

2009.10.08
丹波春秋

 4日から篠山市特産の黒枝豆の販売が解禁された。篠山産の丹波黒枝豆のブランドを守ろうと、他産地の枝豆や早生種の枝豆と混同されないよう解禁日を定めた。今年初めて市は、沿道売りなどの市内の一般販売者すべてを対象にした認証制度を創設。申請者に、店先に表示してもらうための認証グッズを配布している。同制度の認証申請者は4日までに、市の予想の3倍近くの294件。販売者のブランドを守ろうとする関心の高さを示している。
 県や市によると、他産地の枝豆や早生種の枝豆を販売することは、丹波篠山黒枝豆を買いに来た消費者の期待を裏切るだけでなく、栽培上にも問題が生じるという。例えば、丹波黒と東方地方の「早生ダダチャ」を交配して県が開発した枝豆用新品種「黒っこ姫」「茶っころ姫」が開花時期の受粉で交雑すると、本来のものの粒の大きさや味に違いが出るという。また、正月用の黒豆で異品種が混ざる可能性もあり、ブランド崩壊の危険性があると警鐘を鳴らす。
 しかし、市内では9月の連休「シルバーウイーク」には、すでに早生種の枝豆を沿道で販売する店があり、「よく売れた」と胸を張る販売者の話を聞いた。店先には、「黒っこ姫」「茶っころ姫」と明示してあったが、袋には「丹波篠山黒枝豆」の名が入り、説明書にも、丹波篠山黒枝豆の煮方などが書かれていた。
 黒枝豆の旬の時期は数週間と短い。黒枝豆を売りたい販売者にとっては、販売期間は短すぎるという声もある。一方、購買者にとっても、訪問時期が限られてくる。食は観光の決め手の一つ。黒枝豆収穫前の新特産物が必要になってくるのでは。 (坂井謙介)

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