土採取から作陶、料理まで 「丹波焼」全身で味わって 貴重な新プランの参加者募集

2023.04.09
地域観光

丹波焼を全身で味わうプランを企画した田林さんとスタッフの甲斐田さん=兵庫県丹波篠山市今田町上立杭で

兵庫県丹波篠山市を拠点に地域づくりのコーディネート事業を行っている団体「Satoyakuba(サトヤクバ)」が、同市の伝統的工芸品で、日本六古窯の一つ「丹波焼」を楽しむ新しいプランを企画した。今月15日か23日と、5月28日の2回続きで、窯元が立ち並ぶ今田町立杭地区が舞台。陶工と山に入って土を掘るところから作陶までを体験し、最後は登り窯のそばで新緑を愛でながら、作った器でランチを味わう。参加者を募っている。

初日は陶工らから丹波焼の歴史について話を聞いた後、一緒に山に入って土を採取。土を練り、ランチ時にメニューを載せるカードスタンドと、カップや皿を作る。また陶工の案内で地域を散策し、登り窯の見学も楽しむ。

2日目は、作った器なども使い、登り窯の横につくる特設会場で、陶工たちと共に地元のレストラン「SAKURAI」の櫻井龍弥さんが腕を振るったランチを味わう。

陶工は今西公彦さん(宮ノ北窯)、清水剛さん(俊彦窯)、畠賢さん(たさうら)、市野勝磯さん(陶勝窯)が参加する。

土の採取から作陶、料理まで味わえる企画は珍しく、新緑が映える焼き物の里を全身で体験できるプランとなっている。

企画したのは同団体代表で、元総務省官僚の田林信哉さん(40)。以前から作り手の個性や創造力が表現される焼き物が好きだった。市内に移住し、活動を展開する中で、丹波焼の産地活性化計画にも携わり、陶工たちと触れ合ったことでさらに魅力を感じるようになったという。

昨年から新緑の美しい季節の丹波篠山と、季節の逸品を提供している飲食店や食材を生み出している生産者の魅力を伝える企画「鶸色(ひわいろ)のひとしな」を展開しており、第2弾として丹波焼の里に焦点を当てた。

田林さんは、「丹波焼は800年以上の歴史があり、今もなお明かりを絶やさず、土と対話しながら新しいものを生み出している」と言い、「普段、使っている器が、土から、そして手仕事から成り立っていること、そして、その温かみを感じてもらい、生活の豊かさとは何かを考えるきっかけにしてもらえたら」と呼びかけている。

参加費は1人5万5000円。同団体の甲斐田さん(090・2063・1877)。

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