紫色で長い花穂の「九尺フジ」の名所として知られる白毫寺(兵庫県丹波市市島町白毫寺)が22日から5月7日ごろまで、広場に咲くフジを公開する「白毫寺ふじまつり」を4年ぶりに開く。出店数を減らしたり、ステージイベントを中止したりするなど、新型コロナウイルスの感染リスクを考慮して規模は縮小。同寺住職の荒樋勝善さん(62)は「コロナ禍で忘れかけている心の安らぎを感じてほしい」と話している。
同寺には、長さ約120メートル、幅約8メートルのL字型と、長さ約70メートル、幅約2メートルの2つの棚が設置されている。1メートルほどの花房が無数に垂れる光景は圧巻で「紫色のシャワー」などと称される。
公開時間は午前8時半―午後5時。ライトアップは26日から始め、午後9時まで点灯する。見頃は今月末という。
コロナ禍前までは、地元産の野菜や加工品など7店舗ほどが出店していたが、新型コロナウイルスの感染防止を考慮して半分程度に。ステージイベントは開催しない。
近年はコロナ禍で非公開にしていたが、開花時期になると「今年は公開しないのか」という問い合わせが相次いでいたという。
荒樋さんは「4年間、コロナで厳しい状況だった人もいたと思う。喜んでもらえるのが楽しみ。藤の花を見て、本来の人間らしい気持ちに立ち返ってもらえれば」と頬を緩ませている。
およそ30年前、先代住職で、父の秀晃さんが「誰でも来られて、癒しを得られる寺に」と植えたのが始まり。25年ほど前に公開を始めた。2012年、全国紙の1面に掲載されたことで一躍人気に。以来、開花時期には、舞鶴若狭自動車道、春日インターチェンジ付近から数キロの渋滞が起きるほどのにぎわいぶりという。
見学には志納金300円が必要。高校生以下、障がい者は無料。