兵庫県丹波市市島町矢代の金属加工業「大進精機」(小林学社長)がこのほど、「ユースエール認定企業」の更新を受けた。雇用管理が優良で若者の採用や育成に積極的だとして同社は昨年5月、厚生労働省から同企業の認定を受けた。従業員数21人(男性17人、女性4人)の同社だが、認定以後、高卒の新採用1人、20歳から30歳代半ばの中途採用の4人が入社。小林社長は「これまで難しかった人材採用だが、ユースエール企業に認定され、追い風が吹いた」と話している。同市内の同認定企業は、同社の1社。
更新に当たって前年度の実績が審査された。同社の残業時間は月平均12時間、年間休日数は117日で平均有休取得日数は18日、離職率はゼロなどの優良ぶりで、厳しい認定要件を満たした。
社員教育としてOJT教育(仕事を介した訓練)に力を入れるとともに綾部工業研修所に派遣するなど、社員の技能向上を図っており、中途採用した4人も7月には機械加工の技能検定試験を受けるという。同社には、合格率が3%ほどという特殊機械技能士の資格を持つ社員が4人いるのをはじめ、社員の8割が各種の資格を取得している。
これまでハローワークに求人を出し、就職フェアに参加しても反応がなかったが、同認定企業の“特典”としてハローワークが重点的にPRをしてくれたほか、新聞などでも紹介されたことが有利に働いた。新卒の採用は15年以上ぶりという。
同社は1975年の創業。ニッケル、コバルトなど削りにくい金属を切削、加工し、特殊バルブ部品や精密部品を加工製造している。受注の増加を受け、工場を1棟増設、新しい切削機械も導入しており、さらに人材を求めている。
同社は先月、東京ビッグサイトで開かれた「新価値創造展in機械要素技術展2023」に全国80社のうちの1社として参加した。