丹波市有機の里づくり推進協議会長 小橋季敏さん(丹波市)

2023.02.12
たんばのひと

小橋季敏さん

有機農業もっと身近に

「オーガニック」という言葉とともに注目を集める有機農業。丹波市、JA丹波ひかみ、市有機農業研究会でつくる市有機の里づくり推進協議会の会長を2015年度から務める。有機農業の技術向上、普及、流通を目指し、栽培に関する研修会や、経営や流通に関するセミナーを開いたり、都市部での商談会に出席したりと活発に活動している。

自身は2004年に脱サラ。父の後を継ぎ、当時、すでに有機農産物を求める都市部の団体との取り引きがあった。作付面積4㌶から始め、現在は10㌶。試行錯誤を経て、米、麦、豆類の3種に絞って機械を入れ、省力化をはかっている。

有機農業に対して「自己満足だ」と、良い印象を持たれていない時期もあったが、現在は大規模農家も一部で有機的管理を取り入れるなど、理解は進んでみのりいるとみている。「『農の学校』の開設も外に向けたメッセージになっている」。ここ2、3年は特に商談会での反応も良く、引き合いも多いという。

全国的には有名な丹波市の有機農業だが、「地元の人には認知されていない」ことを課題と捉える。学校給食に有機米を使う取り組みをさらに発展させたり、市島有機センターの堆肥の質をさらに高めたりと、「新年度以降は、もっと市民に身近に感じてもらえる活動をバージョンアップしたい」と意気込む。

個人でも近所にある障がい者施設と連携したり、有志グループをつくって機械を共同利用できるようにしたりと、忙しく動き回る。「これからますます遊休農地が増える。自分もこれ以上は手いっぱい。農業をやりたいという人がいれば動きがとりやすい環境づくりはしておきたい」。52歳。

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