兵庫県丹波篠山市内で、ひと足早く可憐な花を枝先にたっぷりと咲かせているツツジ科の「アセビ」に舞い降り、つぼ型の小さな花を揺らしているのは、野鳥のメジロだ。
抹茶色の体に白いアイリングがトレードマーク。「キュルキュル」と鳴きながら、花から花へと忙しなく飛び移り、細長くて小さなくちばしを花の中に突っ込んで、蜜の味を堪能していた。
アセビは有毒植物として知られる。漢字で「馬酔木」と書くのは、誤ってこの木の葉を食べた馬が毒にやられ、酔ったようにふらふらとした足取りになるためという。
毎日、庭先にやって来る野鳥を眺めるのが楽しみという男性は、「メジロのほか、ヤマガラやヒヨドリなど、いろんな鳥がやって来るが、アセビの蜜を吸うのはメジロだけ。毒のある木の蜜をなめて大丈夫なのかと、ちょっと心配しながら見ています」と笑っていた。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)