「かーちゃん」が交流 西日本の女性ら80人 災害きっかけに発足のグループがホストに

2024.06.23
ニュース丹波市地域地域注目

約80人が参加し、九州以外で初めて本格開催された「かーちゃんサミット」=兵庫県丹波市市島町上田で

女性を中心とする食品加工・地域づくり団体の交流会「かーちゃんサミット」(同実行委員会主催)が14―16日、兵庫県丹波市市島地域で行われた。同市豪雨災害をきっかけに生まれ、同地域で配食サービスなどを展開する女性グループ「ぽんぽ好」(今井頼子代表、5人)がホスト。西日本を中心に約80人が集まり、年に1度の再会を喜んだ。パネル討論で真面目に考え、交流会ではご当地食材に舌鼓を打ちながら大笑い。互いにパワーをもらい合った。

タヌキに扮した「ぽんぽ好」(左)のメンバーの余興もあり、盛り上がった交流会

ライフピアいちじまで行われたパネル討論で「ぽんぽ好」は、2014年8月の豪雨災害前のメンバー個々の生活や、災害がきっかけで団結してグループが生まれたことなどを発表した。2年前に市島町上竹田に家族5人でIターンした無農薬無化学肥料栽培農家の前田さなみさん(39)は、先輩かーちゃんの「ぽんぽ好」の存在を心強く感じていることや、丹波の伝統料理などを学んで未来につなぎたい思いを語った。

9回目のイベント。九州以外で本格開催は初。交流会では、黒大豆、丹波大納言小豆を使った料理や、市島地域3蔵の日本酒などでもてなした。焼きそば、お好み焼きなどの「粉もん」を会場で焼き、熱々を提供し、「関西感」を演出した。「ぽんぽ好」のメンバーはタヌキに扮し、童謡「山寺の和尚さん」に合わせ踊りを披露、詰め物をして膨らませた太鼓っ腹をポンとたたき、会場を爆笑の渦に巻き込んだ。

自身が作るニンジンやシイタケのドレッシングが鹿児島県さつま町のふるさと納税の返礼品になっている久徳スミ子さん(87)は、「元気がもらえる。やる気が出る」と笑顔。同県曽於市でサツマイモ生産と加工をする中垣聡美さん(52)は「先輩方の惜しみない愛情を頂いた。各地の事例を聞き、私の現在地を知れた」と喜んだ。

琵琶湖に浮かぶ唯一の有人島、沖島町離島振興推進協議会(滋賀県近江八幡市)の富田雅さん、小川文子さん、本多有美子さんは、島のファンクラブを運営。3人が嫁いだ25年前は500人以上いた島民が200人まで減り、交流サイト(SNS)で島の魅力を発信するなどしている。本多さん(53)は「地域で活動する難しさ、行政との関係の難しさなど同じ悩みがあることが分かった。私達が地域でビジネスを興すかは別にして、大変刺激を受けた」と話していた。

今井代表(68)は「年に1回、欠かせない行事。もっともっと仲間の輪が広がれば」と言い、来年、熊本市で開催が決まったサミットへの参加を楽しみに、また1年こつこつ活動を続ける。

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