チリの鉱山の落盤事故は、丹波家の夕げの話題にうってつけ。親父の聞太「これだけ世界中が注目したニュースは近頃なかったのう。色々なエピソードが伝えられて、出版社や映画会社が動き出しとるそうや。お前たちは何を感じたか、話してみい」▼娘ミー子「何ちゅうても、仲間の救出を見届けて最後に出てきたリーダーの人。冷静で判断力も的確で、ほんまに素敵やわ。それにしょっちゅうテレビに出て来ちゃった大統領の指揮もさえとったねぇ」▼息子ハー吉「大統領は色々計算や演出をしとったみたいやで。それはともかく、僕が思うのは、世界のテロリストたちもこのニュースを見とったら、何を思うたやら、いうことや。33人の命がこんなに尊ばれているのと同じ時に、地球上のあちこちで殺し合いが続いている。ほんまに愚かなことや」▼妻テレ代「私はチリに行きとうなったわ。南米では比較的身近に感じるアルゼンチンやブラジルに対して、チリはワインが美味しいいうことくらいしか知らんかったもの」▼聞太「そう浮かれんなよ。この銅山は前に爆発事故で閉鎖され、安全面に問題があったのに、採掘が再開された。何故かいうたら、電気機器に欠かせん銅の価格が、新興国の経済成長で急騰しとる。この事故は我々の生活にまで響いて来る深刻な話なんやじょ」。(E)