兵庫県丹波篠山市立今田小学校5年生(23人)がこのほど、地元の伝統産業、丹波焼について理解を深めようと窯元めぐりを行った。丹波伝統工芸公園「立杭陶の郷」で丹波焼の概要を聞き取ったほか、グループに分かれて6軒の窯元を訪ね、陶工たちに仕事に対する思いや、作品作りで工夫していることなどについて質問をぶつけていた。
児童たちは、丸八窯、俊彦窯、源右衛門窯、千代市陶房、伝市窯、ココチ舎の6窯元を訪問。千代市陶房では、陶工の清水万佐年さん(40)が「10年前ほどから若いお客さんも増えてきたので、落ち着いた風合いの伝統の丹波焼を大切にしながら、最近ではモダンでスタイリッシュな作風にもこだわって作っている」などと説明。児童から「一番のお気に入りの作品は」と聞かれ、「もう売れちゃった」と返しつつ、「これもお気に入り」と、今年の干支にちなんで制作したという龍の絵付けを施した白い壺を披露していた。
立杭陶の郷では、丹波焼展示即売所「窯元横丁」を見学し、「この即売所は何を目的に建てられたの」と質問。職員は、「丹波焼のアンテナショップみたいな役割がある。お客さんと窯元の橋渡しをするのが私たちの仕事」と答えていた。中には、「丹波焼で有名な陶芸家は誰」といった質問もし、職員を困らせる一幕もあった。
熱心に“取材”を進めていた女子児童は、「いろんな工夫をしながら美しい丹波焼が作られていることが分かった」と話していた。