「丹波篠山市民の日記念イベント」(兵庫県丹波篠山市自治会長会、市共催)が16日、同市の田園交響ホールで開かれた。同市は市名変更の是非を問う住民投票が成立した11月18日を「丹波篠山市民の日」と定め、記念イベントを開いている。「住みたいまちNO・1対決!」と題して、同市の酒井隆明市長と、県内最年少市長で芦屋市の高島崚輔市長が互いのまち自慢で舌戦を展開。高島市長は中学時代に同市真南条地区で米作りを体験したエピソードも紹介した。コーディネーターを務めた前宝塚市長の中川智子さんがジャッジし、「どちらのまちも素晴らしい。引き分け!」と討論を締めくくり、来場者から大きな拍手が贈られた。
両市長の対決は、景観、文化、市民の力―の“3ラウンド”制。「景観」では互いが四季おりおりの美しい風景を舞台に映し出しながら、芦屋市は市全体を「景観地区」に指定し、屋上広告を規制していることを紹介。丹波篠山市も田園地域の沿道での看板設置を規制している、などと応戦した。
「文化」では、芦屋市は国内で唯一の「国際文化住宅都市」であり、偉人ゆかりの建物を図書館や記念館として、また、歴史を感じる古い住宅を小学生の授業で利用するなど、古くから文化を大切にする風土があると力説。丹波篠山市は、ユネスコ創造都市ネットワークに加盟したことを振り返った上で、デカンショ祭、丹波焼、春日能、お苗菊などの伝統を継承し、移住してきた作家らによる「丹波篠山クラフトヴィレッジ」という新たな催しが生まれていることも紹介した。
「市民の力」では、芦屋市は「国際文化住宅都市」とする特別法を1951年に住民投票で決めているとし、市民と市長との対話集会や、中高生と市長との意見交換を重ねていると紹介。丹波篠山市は常設型の住民投票条例を持っているのは県内で宍粟市との2市だけ、と強調。市民と共に「ワクワク農村未来プラン」に取り組んでいることや、来年開催の「丹波篠山国際博」をPRした。
高島市長は「景観へのこだわり、文化への思い、住民投票の実施、と丹波篠山とは似ている点があり、丹波篠山をもっと好きになった。切磋琢磨して兵庫県を盛り上げていきたい」と笑顔。酒井市長は「丹波篠山は『何もないとこ』ではなく、先人が築いてこられた良い物がたくさんある。未来につなげたい」と強調した。中川さんは、高島市長に「芦屋の皆さんに丹波篠山のことを伝えて」と話し、討論を閉じた。
この他、合唱団やチアダンスグループのアトラクション、地方自治総合研究所の坂本誠さんの講演もあった。