阪神・淡路大震災から17日で30年―。丹波地域唯一の「県高校生等防災ジュニアリーダー」育成校の氷上西高校(111人)で17日、リーダーの3人が地震時の校内の危険個所を発表したほか、中西孝弘校長(58)が天災を自分事と考えるようになった経緯や、全国で初めて「環境防災科」が設置された前任地の舞子高校での学びを伝えた。
同リーダーの谷拓海さん(3年)、片山颯人さん(2年)、小入羽一朗さん(同)が、写真を交えて地震時の校内の危険個所を紹介し、▽教室のエアコン、照明の支えが細く落下の可能性▽書類棚が倒れるかもしれない▽窓ガラスが割れ、廊下に散乱するかもしれない―などと説明。学校で地震が起こった場合、「頭や体を守り、放送をしっかり聞いて危ない所を避けて避難する」「割れガラスが散乱するので、足元に気を付ける」と生徒が注意すべき点を説いた。
3人は、県内35校の生徒と合同講義やワークショップを通し、防災を学習。能登半島地震の街頭募金を実施したほか、2年生の2人は、伊丹市で子ども向け防災・減災ゲーム体験会を開いた。谷さんは、夏休みに能登半島地震被災地の志賀町、七尾市でボランティア活動をし、生徒に体験を伝えてきた。
同「リーダー」参加を通じ、片山さんは「災害時は必ず避難しなければならないと思っていたが、自宅が安全なら家にとどまり、避難所に負担をかけないことも有効と学んだ」と言い、小入羽さんは「事前に防災グッズを準備していても足りないので、大げさなぐらい準備しておいた方がいいと学んだ」と語った。谷さんは「被災地で活動したことで、被災者の気持ちが理解できた。今後どこかで災害が起きたときに参加する自信がついた」と話した。