毎年1月1日の午前0時過ぎ、兵庫県丹波篠山市黒岡の春日神社で奉納される元朝能「翁」。来年の舞台は、若手の能楽師が新たに出仕し、親子共演が大きな見どころとなる。能楽師小鼓方大倉流の上田敦史さん(52)=同県丹波市氷上町=と息子の航平さん(16)をはじめ、人間国宝で上田さんの師にあたる大倉流16世宗家の大倉源次郎さん(68)と伶士郎さん(18)、同流派の吉阪一郎さん(60)と倫平さん(18)の親子3組による共演が実現し、元旦の舞台を豪華に彩る。
「翁」は通常の能と異なり、小鼓方3人と、世話役となる後見が3人付く特別な演目。小鼓方を〝若手〟が務め、敦史さんらがそれぞれの後見として出仕する。小鼓方の中央に位置し、主奏者となる頭取を伶士郎さん、脇鼓を航平さん、倫平さんが務める。また、格式の高い熨斗目、素襖、侍烏帽子をまとい、奉納を執り行う。
航平さんは「なかなか経験できることではないし、能楽の身として誇らしい。とてもわくわくする」と笑顔。伶士郎さんは「年下がいる舞台は初めて。頭取として両隣(航平さんら)を引っ張っていきたい」と語った。
自身も「翁」でデビューを飾った敦史さんは「真夜中ではあるが、ぜひ足を運んでいただき、楽しんでいただけたら」と呼びかけていた。
「翁」は1日午前0時20分ごろから同神社能舞台で。入場無料。



























