豪雨被災前の姿を”復活” VRでよみがえる左近神社 武蔵野美大生が卒業制作 18日まで鷹の台キャンパスで展示

2026.01.18
丹波篠山市地域地域歴史観光

VRの卒業制作を説明する粟野さん=東京都小平市で

兵庫県丹波篠山市出身で、武蔵野美術大学基礎デザイン学科(東京都)4年生の粟野環さんが卒業制作で、2018年の西日本豪雨で被害を受ける前の左近神社(同市草ノ上)の姿を映す仮想現実(VR)作品と、左近神社や丹波篠山市を舞台にしたノーベル(物語)ゲームを作った。18日まで同大鷹の台キャンパス(東京都小平市)で開かれている「卒業・修了制作展」で展示されている。午前9時―午後5時。

VRは、頭部にゴーグルを装着し、頭の動きに合わせて視界が動き、360度の映像が楽しめる装置。作品は、被害を受ける前の写真を参考にデジタルで同神社の様子を映している。

ノーベルゲームは、主人公の大学生が被災した神社を訪れると、神様が降臨し、神社を再建する、というストーリー。途中、質問に回答することで物語が変わっていく。全部で3時間半ほどの物語。

左近神社や丹波篠山市を舞台にしたノーベルゲームの一場面

丹波篠山市の村雲小学校時代から遊び場であり、学校行事でも訪れた親しみある場所。「特に石段があって木が生い茂り、〝森のトンネル〟のようだった。石段を登った先の社殿の風景が神秘的だった」と振り返る。

豪雨災害後、本殿が石段の下に位置を変えて再建された。「あの失われた景色をもう一度取り戻したい」と制作に打ち込んだ。

幼い頃から絵が好きだった。篠山東中学校、篠山鳳鳴高校ではソフトボール部で活躍。「何かを作りたい」と美術大を希望し、高校3年時に丹波市の絵画教室「学美隊」で受験対策した。入学後は、デザインを幅広く学び、「特にCGや3Dの分野に興味を持った」という。

被災前の左近神社をイメージしたVR作品の一映像

卒業後は、川崎重工のグループ会社「ケイテック」(本社・明石市)で商工業のデザインに携わる。「新しい技術を吸収し、さまざまなデザインをどう伝えるかを学んだので、それらを生かしたい」と話している。

粟野さんは、卒業制作のプレゼンテーションと作品で選考され、優秀な作品に贈られる「神戸財団賞」を受賞した。

ノーベルゲームのURL(https://novelgame.jp/games/show/13036)

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