
クマの繁殖力は弱くないことをデータを示して説明する横山研究部長
兵庫県森林動物研究センター(同県丹波市)のオンラインシンポジウム「野生動物の保全と管理の最前線」があり、研究者4人が、クマをテーマにしたものなど4つの演題で研究発表した。「クマは繁殖力が弱いってホント?」の演題で発表した横山真弓研究部長は「今のクマは繁殖力が決して弱くない」と結論付けた。「個体数が少なく、生息環境が回復していなかった時代は出産にこぎつけることは難しかったかもしれないが、今は個体数が増加し、雄と雌が出会う機会が増えた」とし、同県内で年間125頭の子熊が生まれているとの試算を示した。
同センターがこれまでに調べた雌について、排卵歴は2―25歳、出産歴は4―22歳であることを示し、「繁殖に参加可能な期間が長い」とした。
大量出没年の2010年と24年の8―12月の繁殖状況を比較すると、24年は2歳で排卵歴が確認され驚いたとし、若年、高齢で出産が増加していたとした。
黄体と胎盤痕の平均数からおおむね2頭産むことが多いとし、個体数と繁殖の関係で「若年個体多い。若者が多く、人口ピラミッドは増加型に変化しているのでは」と推察した。その上で、700―800頭とする県の個体数管理にあてはめ、年間にどれぐらい子熊が生まれるか試算。仮に700頭とし、生息数のうち35%が繁殖に参加できる成獣雌としたとき、その数は700頭×0・35で245頭。隔年繁殖のため50%が受精卵を持つとすると、245頭の半分の122・5頭。受精卵を持つ雌の半分が出産するとすると、61・25頭生まれる。1度に2頭産むので、122・5頭生まれると計算した。
県は個体数推定で、増加率を15%と算出している。700頭に15%を掛けると、毎年105頭の増加とし、122・5頭と105頭の数字を念頭に、適切に個体数管理をしなければクマの数が増えることを示した。


























