民間の触れ合い

2013.10.24
丹波春秋

 中国などの日本語学生を支援するNPO「アジアの新しい風」のツアーで、5月の清華大学(北京)に続いて、西寧の西海民族大学を訪問。日本人と結婚し東京に住む元留学生の父がこの大学で先生をしていた縁だ。▼青海省の省都、西寧は上海から飛行機で3時間半。チベットへの入り口に当たる。民族大学はチベット族、回族、ウイグル族など多くの少数民族が学び、日本語学科の学生約30人が迎えてくれた。▼たくさんの日本語の本が並び、市民にも公開しているという「ふれあいの場」と名付けた部屋で、グループごとに話し合った。青海省には日本企業はなく、就職先が少ないので、大半の学生が留学を目指すという。▼学び始めてまだ1年余りという2年生も、たどたどしいが結構話す。清華の学生も真面目だったが、ここの学生はまた一段と初々しい。白族・チベット族の混血という雲南省出身のC君は「日本は一番経済が発展している。優れた技術を故郷の人たちに紹介したい」と、いかにも日本に憧れている風だった。▼この後、観光で回ったウルムチ、敦煌など西域の各地では、日本人旅行客をほとんど見かけず、日中の冷え込んだ現況を痛感した。しかし、中国人全体が日本への風当たりを強くしているわけではない。こうした時こそ民間同士の触れ合いを大事にしたい。(E)

 

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