会社廃業を乗り越え
参議院自由民主党政策審議部企画課長 足立 宏文 (あだち ひろふみ) さん (さいたま市在住)
1959年 (昭和34年) 青垣町小和田生まれ。 柏原高校、 早稲田大学商学部卒業。 83年旧山一證券入社。 経済研究所に配属されエコノミスト、 ストラテジストとして活躍したが、 97年同社廃業により翌年参議院自由民主党に就職、 入党。
国会の委員会などで、 自由民主党の議員が代表質問を行うにあたって、 審議が円滑に進むよう質問内容の案やデータ作成でサポートする、 黒子の存在。 議員立法の各種法案作りにも携わる。 小学生の子どもを持つ親として、 若者をとりまく環境浄化に関心があり、 「今国会では、 時間切れで不成立でしたが、 『青少年健全育成基本法案』 に力を注いでいました」 という。
これまでの仕事では 「国旗国歌法」 も印象に残っている。 「国旗は日の丸、 国歌は君が代、 というのはそれまで何も法的根拠がなかったんですよ」。 日本的な価値観を打ち出す自民党員として思い出深い仕事だったという。
自民党に就職するまでは、 無党派層だった。 自分の信条と合わないような政策に関する仕事がきたら、 「担当をほかの人に回すこともできます。 好ましくないかもしれませんが、 国会議員でもときには個人の意見を通すことがあるのと同じです」。
7年前、 旧山一證券が突然自主廃業に追い込まれたとき、 香港支店にいて株式市場をめぐる分析、 評論の仕事をしていた。 「中国語ができたので、 これからの中国経済にかけてみようと。 廃業はまさか、 という感じでしたが、 今では得がたい経験だったと思います」と振り返る。
職員を公募していた自民党に再就職した。 「山一の仲間たちで再就職に成功したのは、 能力や実力という評価よりも、 周りから信頼される誠実な人柄の人たちです」
高校時代はハンドボール部の主将だった。 今も日に焼けて健康そう。 「年に1、 2回帰郷しますが、 源流にもどる鮭のように身体が景色や空気を覚えていて、 そのつど元気をもらいます」。 国政の場で陰ながら頑張っている同郷人がいることを、 丹波の人たちに知ってもらいたいという思いが、 よく伝わってきた。
(上 高子)