英語使える日本人に
文部科学省初等中等教育局国際教育課長 山脇 良雄 (やまわき よしお) さん
(東京都在住)
1959年 (昭和34年) 篠山市 (旧篠山町西町) 生まれ。 篠山鳳鳴高校、 東京大学工学部卒業、 同修士課程 (土木工学専攻) 修了。 84年科学技術庁 (現文部科学省) 入庁。 99年から3年間在ウイーン日本政府代表部参事官として赴任。 帰国後原子力安全委員会規制調査課長を経て、 今年1月より現職。
小中学校、 高校の英語教育の方針として昨年立ち上がった5カ年の行動計画に沿って、 教育現場をサポートしている。 英語は国際共通語として 「英語が使える日本人の育成」 にウエイトを置いている行動計画。 「簡単ではありませんが、 もう議論ばかりではなく、 行動に移すとき」 ときっぱり。
大学で土木工学を選んだのは、 「市民のための技術で社会貢献ができると思ったからです。 行政で生かしたいと科学技術庁へ入りました」。 しかし省庁統合で文部科学省となり、 現職はまったくの専門外。 「入省時はこんな仕事をすることになるとは思わなかった」 けれども、 このようなことは官庁では常にある。 「専門家から話を聞き、 全体を俯瞰する能力。 問題点を分析する能力。 そして実行に移す能力が2年ほどの短期間に求められるのです」
英語教育に無縁とは言えない。 父親が篠山中学校などで英語の教師だった。 入庁後に米国ボストンのマサチューセッツ工科大学へ留学。 外務省出向中にはオーストリア・ウィーンで国際機関を相手に仕事をした。
「あまり得意とはいえなかった英語ですが、 ほぼ自習で仕事に使えるほどになりました。 強い動機付けがあれば、 学校教育で培われた基礎的な英語の上に積み上げていくことは出来ますね。 今回の五カ年計画では中高校を卒業したらコミュニケーションのできる英語力習熟を目標としています」
海外子女教育も守備範囲のひとつ。 「兵庫県は海外の日本人学校へ派遣する教師の数が多いんです。 その経験のある篠山市の谷口前教育長や、 篠山中学校の青木校長先生らにお会いしてご意見をいただきました。 海外での教育実践を生かすネットワークやシステム作りをしていきたい」。
(上 高子)