丹波市が、 日本赤十字社兵庫県支部を指定管理者にして、 山東地域 (春日、 市島) に病院を新設するという市立病院構想で、 日本赤十字社が市に対し、 移転先について、 「山東地区は適切でなく、 市全域から利便性のある場所」 とする提案をしていることが分かった。 柏原赤十字病院は具体的な場所については 「協議中」 としている。 日赤側は、 市の負担増を求める条件も出している。 (芦田安生)
市は、 救急対応の面などから、 地元の要望も強い山東地域に病棟を建設するとしていたが、 日赤側は▽病院配置を地域割で考えるのではなく、 県立柏原病院が二次-三次救急 (重傷-中等症) と高度医療を、 日赤は一次-二次救急と初期診療を担当するなど、 役割分担するのが望ましい▽市民病院であれば、 全ての市民が利用しやすい場所に設置すべき▽山東地域では、 利便性の悪い地域がでる分、 採算面で問題がある-などを理由に、 移転先の変更を求めている。
同構想をめぐり、 医師会らと作る 「丹波市の病院のあり方検討協議会」 (会長=辻重五郎丹波市長) は今年三月の会合で、 新たな協議の場を設けることを確認したまま話が前進していないため、 再協議を始めるにあたり、 日赤本社 (東京都) と同県支部などが協議。 他の地域の事例も加味しながら日赤としての意向をまとめた。
柏原赤十字病院は 「日赤は、 丹波地域の医療に貢献できると考えている。 丹波市の、 将来の医療体制、 市民サービスを念頭に、 市立病院の立地条件を総合的に考える時、 山東地区は適切ではないと判断した」 と話している。
市自治会長会の和田利一会長 (春日町黒井) は 「来月にも自治会長会の役員が、 地域医療について市長と懇談する場を設けてもらう予定だ。 山東地域の住民は日赤の移転を切望しているが、 昨今の医師不足の問題もあり、 医療全般について市長の考え方を聞きたい。 そのうえで、 抜本的な打開策を要望したい」 と話している。
辻重五郎丹波市長は、 「今の段階では山東地区に変わりはない。 建設場所は県と協議しながら決めたい」 と話している。