本紙元日号の「子ども」特集には、考えさせられた。

2006.12.27
丹波春秋

本紙元日号の「子ども」特集には、考えさせられた。ユンボを駆使したり般若心経を写経する小学生は「なかなかやるじゃないか」と思わせたし、5人姉弟や7人兄妹を見ると、少子化時代の未来に明かりが灯ったように見える。▼しかし、学校現場で聞いた「今どきの子どもたち」の実態によると、夜ふかしが増え、食事のマナーが悪くなり、女性教師に「ババア、消えろ」と毒づく子さえ珍しくない。▼子どもが不健康になっているとすれば、やはりそれは大人社会の不健全さの現れだろう。いらだった世の中、競争中心のシステムが根幹にあるのは確かだが、問題をそこに押し付けるだけでは解決はしない。▼筆者は子どもの頃、失くした布製の野球グローブを再び買ってもらえず、毎日10円の小遣いをおやつは我慢して貯金した。恨めしかったが、今となっては親に感謝している。豊かで便利な時代の親に真似ろと言っても無理かもしれないが、一つのヒントにはなるのではないか。▼女性文集誌「ステップワン」最新号で、「育てたように子は育つ」(常岡美知子さん)という言葉が目をひいた。我が子が持って生まれた、何か一つはあるはずの才能や特性をどう伸ばしてやるか、愛情を持って見守る。そういう親が増えるほど、元日号のような子供の笑顔がもっと満ちあふれるはずだ。(E)

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