先日、誰にでも扱いやすいユニバーサルデザイン(UD)の丹波焼食器を初めて取材した際、集まった試作品を見て、あれっと思った。テーブルに並べられた食器が一見、普通の湯飲みや皿だったからだ。 以前、新聞で見たのはもっと目立つ突起とかが付いていたような-。聞くと、最近のUDは、ずいぶんとシンプルな形状になっているという。お年寄りにしても障害を持つ人にしても、「家族で一人だけ明らかに異なるものを使うのは抵抗がある」からだそうだ。納得、である。 もちろん、外観にはっきりと出ていないだけで、くぼみを付けたり、底を広くしたりというUD機能はさりげなく備わっている。研究4年目の丹波焼UDは本当の意味で誰にでも使えて、製作した窯元さんたちの気配りが、ぷんと香る素敵な食器になった。 話変わって、各界あげて浸透に励んでいる「クールビズ」。若者うけを狙って力みかえった感のある名称に、一過性で終わる雰囲気を感じてしまうのは私だけだろうか。暑いと感じた人がネクタイを自然に外せる社会になれば、無理な横文字の衣装はいらない。温暖化防止も、さりげなくいきましょうよ。(古西広祐)