篠山市中地区の住民が集落内の道沿いに、自家製農産物などの直売所「なかの里」を開いた。すべてが手づくりとあって、さすがに販売所のつくりは簡素だが、周辺にはPR用ののぼりをずらりと並べ、入り口にはよく目立つ立派な木製の看板が置いてある。運営するメンバーの意気込みが伝わってくるたたずまいだ。 直売所を発案したのは、2年前から地元でお年寄りとの食事会を開いているボランティアスタッフと、会に参加しているお年寄りたち。会の活動が盛り上がっていくなかで話が持ち上がり、開設にいたったという。直売所に野菜を出すことになったお年寄りの一人は、「いいものを作らないと」と張り切っている。 これまで高齢者を交えたふれあいの集いを訪れたことはあったが、新たな活動に発展したものを取材するのはこれが初めてだった。他の地域にも、こんな「良い話」がまだまだ隠れているだろう。地道に取材して明るく楽しい話題を掘り起こしていこうと思いを新たにしつつ、「もうけて、立派な建物にしたい」という直売所メンバーの悲願が早く実現することを祈っている。(古西広祐)