先日、氷上町の東小学校で行われた避難訓練を取材した。不審者が校内に侵入した、という設定で行われ、児童は教師の指示に従って避難した。その児童らを見ていて、自分が小学生のころは不審者の侵入に対する避難訓練をした記憶がない、ということに思いあたった。火事、地震が起きた、という放送で走ったことはあるが、不審者から逃れるために走った、という経験はしていない。改めて校内ですら安全ではない、という学校の置かれている現状を認識した。 また後日、市島町の鴨庄小学校で、教職員らが不審者に対応するための研修会が開かれたとき、丹波署署員の話した「とっさの時に逃げられるように、鬼ごっこで脚力を鍛えるのも一つの方法」という言葉が忘れられない。学校で走り回って遊ぶ子どもを見て、そうとは限らないとはいえ、「不審者対策か」と思うような時代になったかと思うと、実にやりきれない気分になった。 しかし「何があっても児童を守る」という教師の言葉を聞いたとき、嘆いてばかりもいられない。住民の一人として「守る立場」であることの自覚を自分も持とうと固く心に決意した。(西澤健太郎)