衆院選公示前日、三田市内で開かれた兵庫5区立候補予定者の公開討論会を傍聴した。各予定者の雰囲気を知りたかったのに加え、もう一つ理由があった。各党のマニフェスト(政権公約)を入手したかったのだ。比例区の判断材料に読み比べるつもりだった。 結論から書くと、一冊も手に入らなかった。公職選挙法の関係で、討論会場では配布されなかったのだ。マニフェストの配布場所は、同法で「演説会場」や「選挙事務所」などに限られている。民間主催の討論会場では配布できない、というわけだ。 この制約、国政選挙でマニフェストが初めて注目された、前回の衆院選でも指摘されていた記憶がある。当時、「選挙事務所に行くのは、一般有権者には抵抗があるだろう」と感じていたので、例えば「自治体の庁舎には置いていい」という具合に、有権者が入手できるよう、改正されるものと思っていたが甘かったようだ。 テレビの討論では、マニフェストの内容を巡り激論を交わしているが、手元にないので論点がよく分からない。政党がマニフェストを掲げることが一般的になった現在、もう少し入手しやすい制度を望みたいのだが。(古西広祐)