取材拒否

2007.01.29
未―コラム記者ノート

 篠山城跡の整備について市教委と関係団体が意見交換する会議の取材に行ったら市教委に拒まれた。理由をたずねると、「初めての会合で、話がどんな風になるか分からないので」。「未定なことが新聞に載ると話が一人歩きするので、一定の方向が決まってから発表したい」ということだった。全く納得できない。 そもそも会議を設置したのは、石垣修復のために内濠の桜を切るという市教委の決めた「方向」に、市民から異論が相次いだことが遠からぬ要因だ。この経緯を考えたら、関係団体の代表と会議したから市民への周知は十分だ、というものではないだろう。部屋の外にいると、「市民の理解を得るには、もっとオープンにしないと」という委員の声がドア越しに聞こえた。求められているのは、まさにこの姿勢だ。 本当に市民と連携するには、「方向が決まった時点」ではなく案の段階から情報を示さないといけない。固まった「方向」に一市民が意見するには、相当なエネルギーが必要で、結果、肩書きなどのある「声が大きな人」しか意見しにくいのが実情だ。自治基本条例の施行が近づく今、この構図を改める姿勢を市全体で持ってほしい。(古西広祐)

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