安全と不信感

2007.01.30
未―コラム記者ノート

 数年前から気になっていることがある。犯罪者から身を守るための子どもたちへの教育についてだ。 刃物を持った男が学校に乱入して子どもたちを殺傷した事件以降、学校現場は不審者侵入に備えた訓練を行わなければならなくなった。通学途中の連れ去り事件もたびたび起き、子どもたちに防犯ブザーを持たせる親も増えた。 以前なら考えられなかったような犯罪が起きている以上、教育者、保護者として対応するのは当然のことだろう。自分の大切な子どもや生徒が犯罪に巻き込まれるのは耐えられないし、取り返しがつかないことになる。 しかし、どこか引っかかりが取れない。大人全体や地域の人への不信感も植えつけているような気がしてならないからだ。 以前、通学途中の小学生たちに声をかけたら、振り返りつつ逃げて行ってしまった。以来、子どもたちに「怪しい大人」と思われていないか何となく気を遣ってしまう。 「知らない人に近寄ってはだめ」と教わった子どもたちは、通学時のあいさつもやめた方がいいのだろうか。「子どもたちの安全」と子育てについて、みなさんはどう思われますか。(徳舛 純)

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