独自性より「和」を

2007.01.31
未―コラム記者ノート

 県議会の議決を受け、井戸敏三県知事が氷上郡6町長に、廃置分合の処分決定書を交付した。県が週明けにも総務大臣に書類を提出する予定で、4月中に官報に告示される見通しだ。これにより、3年半かけて合併協議を続けてきた氷上郡6町が、11月1日に丹波市として発足することが、法的に認められる。 氷上郡6町は、財政面で町が立ち行かず、住民サービスが低下するのを防ぐために合併する。ニッチもサッチも行かなくなる前の「余力」がある段階で、合併を選んだと理解している。しかし、新年度予算を見ると、必死で「余力」を使い切ろうとしているように映る。「町のうちにやっておかないと、市になったらやってもらえるかどうか分からない」「この際だから」そんな予算の使い方が目立つ。 井戸知事との懇談で、合併協議会会長の足立梅治山南町長は、「これまでは一国一城のあるじだったが、これからは大きな輪で市づくりに励みたい」と述べた。昭和の合併から半世紀かけ築いた「高い垣根」を低くしていく時期だ。あと半年、6町長が町の独自性よりも「和」を尊重した町政運営に手腕をふるわれることに期待したい。(足立智和)

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